中古車販売の経営における損益分岐点の事例を見ていきましょう。

経営の損益分岐点

損益分岐点を計算するカーディーラーの男性

中古車販売業で商売を成立させるために必要な月間販売台数は、事業規模や仕入れ方法によって異なります。

 

中古車販売における1台あたりの利益相場は、直接個人客から仕入れて個人へ売った場合で50~60万円です。
業者用オークションで仕入れをした場合、落札価格を基準に考えて25~30万円ほどです。(陸送費用などの経費を含まず)
仮に自己所有の空いている土地を利用して中古車屋を開業した場合なら、月に1台売るだけで最低限の利益を確保できます。

 

しかし、そんな経営スタイルの中古車販売屋は存在しません。
何台売れば損益分岐点を突破するなど、必要な販売台数と利益、経費の目安についてまとめました。

 

 

規模が小さいほど経営者のセンスが必要

一見、寂れた中古車販売屋には、販売だけではなく整備や陸送で大きな収入源を持っていることがあります。
他の業者の下請けで登録、ユーザー車検、ルームクリーニングなどをしながら、自分のお店の経営しているオーナーもいます。
なかには1台も売れなくても最低限の売上を確保できるケースもありますが、ここで紹介するのは中古車販売をメイン事業にした場合に限定した話です。

 

業者用オークションのネット落札ツールや中古車情報サイトなどのWebサービスが普及した現在は、1名のみで中古車販売屋を経営するのも業務的に難しくありません。
ネットで業者用オークションから落札して陸送業者にお店まで輸送してもらえばパソコン1つで仕入れができます。
ネット集客を活用すれば、運営に必要な大半の業務をお店の中で対処可能です。
一部で外出しないといけない場面も出てきますが、中古車販売屋は在庫情報の広告を出す際に予約制を明記する方法で対応できます。

 

ただし完全に1人で運営するには輸送費用がネックになって、出張査定・出張買取などをフットワークよく動けません。
必然的に外部サービスを活用する経費が高くなるので、1台の利幅は少なくなります。
ネットで見れる画像を参考に適切な仕入れを行い、魅力的な価格設定にして売れば在庫回転が速くなるので大きな利益を出せます。
ただし、現車を見て仕入れができなかったり、外回りの営業活動をする時間が限られるため、センスがないと成立しません

 

営業や整備のスタッフを雇って相応の規模で運営した方が、開業費とランニングコストは高額になるものの、事業の成功率が高くなります。

 

 

中古車販売をメインにするなら月10台がボーダーライン

事業規模や経費のかけ方、スタッフの人数によって変わりますが、業者用オークションで仕入れて中古車販売業をメインにする場合、月に10台くらいは売らないと厳しいです。
必要最低限の規模に抑えた場合でも、月に平均5台は売っておきたいところです。
個人客からの買取で安く仕入れられれば利幅が増えますが、個人からの買取は車種や状態を指定できないので直販では売れない可能性もあります。

 

また、中古車買取業は競争の激しい業界で成約率が低いです。個人からの買取を仕入れのメインに考える場合は、一括査定サービスへの登録などで広告費をかけて、買取・査定の専門スタッフを配置するなど運営コストが高額になります。

 

損益分岐点突破の事例集

 

1人で経営した場合
月間販売台数 3台
1台当たりの粗利 20万円(オークションでの仕入れ)

 

経費 合計30万円

)内訳

家賃 10万円
光熱費 4万円
雑費 3万円
売買にかかるコスト 7万円
人件費(利益) 30万円

 

 

3名で経営した場合(社長+営業スタッフ2名)
月間販売台数 8台
1台当たりの粗利 25万円(オークションより仕入れ7台、個人客からの買取1台)

 

経費 合計148万円

)内訳

家賃 25万円
光熱費 8万円
雑費 10万円
売買にかかるコスト 35万円
従業員への給料 80万円(従業員2名、社会保険の会社負担、ボーナスストック含む)
利益 42万円

 

 

5名で経営した場合(社長+営業スタッフ2名+整備スタッフ1名+事務員1名)
月間販売台数 10台
1台当たりの粗利 30万円(オークションより仕入れ7台、個人客からの買取3台)

 

経費 合計230万円

)内訳

家賃 30万円
光熱費 10万円
雑費 20万円
売買にかかるコスト 30万円(自社整備)
従業員への給料 140万円(社員3名、パート1名)
利益 70万円

 

これらの事例はあくまでも一例です。
実際には任意保険、ローン手数料、整備費用などの副収入で利益を伸ばせることもありますが、損益分岐点の計算は売上が悪かった場合を想定しないといけません。
また、仕入れの方法や経費によって、利幅や損益分岐点の基準が大きく変わってきます。
損益分岐点の最低ラインではなく、中古車販売を行うなら仕入れの失敗や保証修理で損失が発生するリスクも考慮して事業計画を立てることも必要です。