中古車販売で長期在庫を抱えてしまうと、様々な形で損害が発生するリスクがあります。

在庫リスク

中古車販売屋の大きな負担になるのが在庫リスクです。
不良在庫を抱えてしまうと、最終的に赤字で売らないといけないだけではなく、売りやすい在庫を仕入れにくくなるデメリットが発生します。
中古車販売業において、在庫リスクの管理は最重要事項だと言えるでしょう。

 

 

長期在庫が与える損失リスク

長期在庫となった中古車

仕入れた中古車が長期在庫になった場合、以下の損失リスクが発生します。

 

  • 時間の経過で車種そのものの価値が下がる
  • 車検の残存期間が短くなる
  • バッテリーあがりやタイヤの硬化など、放置したことで生じる不具合
  • イタズラ、盗難被害
  • 新たな在庫を仕入れる機会損失
  • オークション出品や業販など直販以外で売るためにかかる手間

 

大きく分けて直接的な価値の下落リスク、余計な手間が発生する経費の増加・機会損失の発生に分かれます。
展示スペースや仕入れ力によって、機会損失の発生有無が変わってきます。

 

 

在庫回転サイクルの平均

中古車1台あたりの平均在庫期間は1~2ヶ月です。
ネット集客が可能とはいえ、希望条件にマッチした購入希望者が現れるかはタイミング次第の要素があります。
最低でも1ヶ月は販売期間を設けることが望ましいです。

 

大きな展示スペースがあり仕入れ力の高い大型販売店の場合は、1ヶ月半から3ヶ月前後売れ残ると、オークションに出品して在庫を処分しています。
これは、直接個人から買取しているから成り立つ方法です。
オークションから高く仕入れた場合は、売れ残って再度オークションに出品すると必要経費を含めて損失が出ます。
置き場所のない小規模業者や、時間の経過で価値の下がりやすい高年式車種は、損失が発生しても早めに見切りをつけて処分することが大切です。

 

寂れた店構えの中古車販売屋の一部には、不良在庫を赤字で処分できずに、展示場所が不良在庫で埋まっています。
もちろん、オークション出品ではなく値下げで対応することもできますが、相場より安いと逆に問題がある中古車だと疑われて買い手がつきにくくなります。
特に店構えに不安材料があるお店は「安い=粗悪」なイメージを持たれてしまうものです。

 

一部の小規模業者や、整備など販売以外がメイン業者の場合は、相場落ちリスクが低い車両を長期在庫覚悟の上で仕入れています。
一定の期間が経過したら赤字や薄利で処分することも大切ですが、明確な在庫期間の答えはありません。
仕入れを行う段階で出口をしっかり定めておくことが大切です。

 

 

薄利多売をすればいいものではない

在庫リスクが高い中古車販売業では、素人が相場より安く売って薄利多売すればいいと考えることがあります。
確かに安くすれば、すぐに売れるチャンスが大きいですが、中古車の販売は仕入れから納車までたくさんの手間があります。
薄利多売を行うと、スタッフのキャパオーバーになって品質が下がり、クレームに発展してしまうものです。

 

車はマイホームの次に高い買い物だと言われていて、お客は販売店のスタッフに対して強気な態度で接してきます。
たとえ僅かな利益しか取っていなかったとしても、お客から理解を得ることが難しく、数十万円から数百万円のお金を使ったのだから良いサービスをするのが当たり前だと思われるものです。

 

クレーム回避をする目的でも、ある程度の利幅を取って丁寧な対応をするのが車業界のセオリーです。
中古車販売業は売れなければ暇だけど、たくさん売れると激務になります。
また、状態によって当たり・ハズレがある中古車は、安くしても買い手が付かないケースが多いです。
他社よりも安くすれば簡単に売れると甘く考えてできるビジネスではないので注意してください。

 

経営の損益分岐点